
AIをすでに使いこなす経営者が、それでも対面研修を選んだ理由。都市部の仕事を地方へつなぐ合同会社Kotoの次の一手
AIツールにすでに触れていて、日々の業務でも活用している。それでも「独学では届かない領域がある」と感じている経営者は少なくありません。ネットにあふれる情報を自分で拾い集めることと、専門家との対話を通じて自社の業務に落とし込むことは、まったく別の体験です。
長野県駒ヶ根市を拠点に、都市部企業の業務をアウトソーシングで受託し、地域の人材につなぐBPO事業を展開する合同会社Koto。代表の梶田様は、ホームページ制作から経営の壁打ちまで、日常的にAIを使いこなしてきた経営者です。そんな梶田様が今回、クラウドワークスの訪問型AI研修を受講。「人からAIを教わるのは初めて」という受講体験から得た気づき、そして地方企業とAIの可能性について伺いました。

企業名 | 合同会社Koto |
所在地 | 長野県駒ヶ根市 |
事業内容 | 都市部企業からのアウトソーシング受託(BPO)。受託業務を設計し、駒ヶ根市の市民スタッフによるテレワークで運用 |
体制 | 代表1名+業務スタッフ3〜4名 |
取り組みのテーマ | 独学で進めてきたAI活用を、専門家との対話でさらに深める |
導入の成果
受講前の状況
ホームページ制作や経営の壁打ちなど、AIは日常的に活用。ただし学びはネット検索による独学が中心で、「人から教わる」機会は一度もなかった
業務の多くをスプレッドシート等で自動化済み。その先の「まだ楽にできる余地」を探していた
受講後の変化
Claude Codeをはじめ、これまで使ってきた対話型AIとは性質の異なるツールの特性と使いどころを理解し、活用の幅が広がった
AIに任せられる業務と、人の頭の中にある知見が担うべき業務の線引きが明確になり、業務設計の解像度が上がった
「地方こそAIによる改善機会が多い」という手応えを得て、AIを使った業務改善支援という次の事業展開への確信につながった
都市部の仕事を、駒ヶ根へ。一人で設計し、回すBPO事業
まず、事業内容を教えてください。
都市部の企業様から事業の一部をアウトソーシングとしてお受けし、その仕事を主に駒ヶ根市の市民の方々にやっていただく事業です。都市部の仕事と地方の働き手をマッチングする、と言えばわかりやすいでしょうか。
私の役割は、営業と、受けた業務のディレクションです。お受けした仕事をテレワークでうまく回せるように業務設計をして、スプレッドシートなどの仕組みに落とし込み、私がいなくても回る形にする。いわばBPOマネージャーですね。そこに営業活動が加わります。
業務設計から仕組み化まで、お一人で担われているのですね。AIとの相性はいかがですか。
相性はいいと思いますし、むしろ使っていかないと回りません。人手だけで回している事業ではないので、ITやAIに頼らないと厳しい。受注情報がスプレッドシートに自動で流れ込む仕組みなども、そうした発想で作ってきました。
独学でAIを使いこなしてきた。それでも「人から教わる」を選んだ理由
受講前、AIに対してどんなイメージを持っていましたか。
AIは、人間よりもはるかに記憶力があり、持っている知識・情報量が多い。知識や情報量という意味では、人間はもうAIには勝てない、というイメージを持っていました。だからこそ、それを人間がどううまく引き出せるかがすごく大事な課題で、私自身もまだ全然使いきれていない。いろんな人がどう使っているのかを知りたい、とずっと思っていました。
受講の目的を教えてください。
一つは、さらなる効率化です。かなり自動化できているとはいえ、できることなら最大限楽にしたい。まだ楽にできる部分があるならやりたい、と。
もう一つは、「人から教わる」経験です。AIのスキルや情報はネット検索でいろいろ仕入れてきましたが、講師のような方から直接教わったことは今まで一度もなかった。人から教わってみるのもいいだろうな、と思ったんです。
数ある中で、この研修を選んだ決め手は何でしたか。
三つあります。まず、知り合いから声がかかったという信頼関係。次に、AIへの興味と、使わざるを得ない事業環境。そして、駒ヶ根までわざわざ来てくれる訪問型だったことです。

研修というより「個別指導」。対話だからこそ生まれる気づき
実際に受講してみて、いかがでしたか。
今回は対面で、しかも会話形式・インタラクティブに進められたので、研修というより個別指導のような感覚でした。聞きたいことをその場ですぐ聞ける。これは大きかったですね。
普段、研修というものを受ける機会自体があまりないのですが、専門家や他の人と会話をすることで得られるものは本当に多い。対話を通じて学ぶ形式は、かなり効果があると実感しました。AIをテーマに、人と話しながら進める研修は初めての経験で、新しい気づきがありました。
事前ヒアリングを踏まえて、実際の業務に合わせた内容にカスタマイズされていた点はいかがでしたか。
自社の業務、たとえば営業資料の作成をテーマに、実際に手を動かしながら進められたのが良かったです。やってみたからこそ、「ここはAIでいける」「ここは人がやるべきだ」という線引きが自分の中で明確になりました。
特に印象に残った気づきはありますか。
「人の頭の中にあるもの」の扱いです。人間は仕事をするとき、自分の頭の中にある知見や文脈を無意識に使っていて、その情報がどこにも書かれていないことをあまり意識していません。AIに任せるには、それを言語化して渡す必要がある。今回の研修で、その違いをすごくはっきり感じました。属人的なノウハウこそ、AI活用の鍵であり、人の価値でもある。この整理ができたのは大きな収穫です。
新しく知ったツールはありましたか。
Claude Codeですね。これまで使ってきた対話型のAIとはちょっと違うんだな、というのがわかったのは良かったです。研修の中で、駒ヶ根市の飲食店情報を扱うデモを見せてもらったときは、「こういうことができるんだ」と素直に驚きました。
「地方こそ、AIによる改善機会にあふれている」
この研修を、どんな経営者に勧めたいですか。
地方の企業です。都市部の企業は、研修を受けないまでも、AIについて何かしらチャレンジしていると思うんですよ。でも地方は、ほとんどチャレンジできていない。経営層の年齢構成もあるし、ITネイティブ・デジタルネイティブな人材は都市部に出て行ってしまう。日本の構造的な問題です。
だからこそ、地方の方が圧倒的にAIによる改善機会が多い。人も圧倒的に足りていませんから。そこにこそ、こういう研修の価値があると思います。
「うちにはまだ早い」と考えている経営者には、何と伝えますか。
いや、実は「まだ早い」と思っている経営者は少ないと思うんです。むしろ焦っている経営者の方が多い。この1年でAIに関するニュースは爆発的に増えました。情報の格差は都市部も地方もそれほどない。だからみんな、「何かやらなきゃいけないけど、何をやればいいのかわからない」状態なんです。
だから伝えるとしたら、「早くやれ」ですね(笑)。むしろ今この瞬間は、そこにビジネスチャンスがあるとすら思います。
「うちの社員はパソコンが苦手だから無理」という声には?
そういう時代じゃないでしょう、と。スマホは使えているわけですから。

次の一手は「AIを使った業務改善」への事業シフト
今後、AIを使ってどんなことに挑戦したいですか。
私はずっと「都市部の仕事を地方に持ってくる」ことを事業の軸にしてきましたし、これからもやり続けたいと思っています。ただ、人を介したアウトソーシングの形は、時代とともに変わっていくはずです。だからこそ、AIを使った業務改善の支援へと事業の幅を広げていく必要があると考えています。今回の研修は、その方向性に確信を持てた機会でもありました。
地域に対する思いもお聞かせください。
私自身、40歳を過ぎるまで地方で暮らしたことがなかったんです。駒ヶ根に来て強く思うのは、「地方がなくなったら日本は終わる」ということ。1億人以上が全員都市部で暮らせるわけがない。地方で生きていくための術を作り続けなければいけません。
そして地方には、駒ヶ根に限らず、それなりの産業がちゃんとあるんです。製造業を支えているのは地方だったりする。そこが本気でAIやDXに取り組んだら、日本はまた変わるんじゃないか。地方の産業に、もっと目を向けてほしいですね。
最後に、この研修を一言で表すなら?
「対話から得るもの」でしょうか。専門家との会話、人の話を聞くことで得られるものは本当に多い。独学では届かなかった気づきを、確かに持ち帰ることができました。
梶田様、本日は貴重なお話をありがとうございました。
独学のAI活用を、その先へ
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