生成AIで業務効率化できる業務10選|進め方と中小企業の事例も解説

「生成AIで業務効率化を進めたいけど、自社のどの業務に使えるのかわからない…」
「ChatGPTを入れてみたものの、一部の若手しか使っていない」
こういった悩みに答える記事です。

この記事でわかることは以下のとおりです。

  • 生成AIで効率化できる業務10選

  • 生成AIで業務効率化した中小企業の事例3社

  • 生成AIで業務効率化を始める5ステップ

生成AIによる業務効率化は、時間がかかっている業務を1つ選ぶところから始まります。
AIの機能から探すのではなく、いま手が止まっている仕事のほうから決めていく進め方です。

何から手をつければいいのか、社内に聞ける人もいなくて迷いますよね?
この記事を読むことで、自社のどの業務から生成AIを入れればよいかがわかります。

来週からAIで着手する業務を決めるつもりで、最後まで読んでみてください。

※この記事は、中小企業向けのAI活用研修を提供している「クラウドワークス アカデミー」が監修しています。

生成AIによる業務効率化とは

生成AIによる業務効率化とは、社員が時間をかけている作業の一部をAIに任せ、人の手を空ける取り組みです。

生成AIは指示を出すと文章や画像などを新しく作り出せるAIのことです。
業務効率化の場面では、下書き・整理・調べものを任せる道具として使います。

RPAとは生成AIに任せる仕事が違う

RPAと生成AIとの違いは、手順が決まっていない仕事まで生成AIに任せられる点です。
※RPAとは、パソコン上の決まった操作を人の代わりに実行するソフトのことです。

2つの違いを以下にまとめました。

比較軸

RPA

生成AI

任せられる仕事

手順が決まっている定型作業

手順が決まっていない下書き・整理

指示の出し方

操作手順やルールの事前設定

日本語の文章での依頼

向いている業務

データの入力・転記・集計

議事録の要約・メール文の作成

使い始めるまで

設定や開発の工程

無料版なら当日から利用可

RPAは同じ作業をくりかえす入力や転記でしっかり力を発揮します。

生成AIが得意なのは、会議のメモを議事録の形に整えるような、書き方の判断が要る仕事です。
ルール化できずに人が抱えてきた作業も、生成AIなら効率化の対象になります。

中小企業にも生成AIを導入する会社が増えている

中小企業でも、生成AIを業務に取り入れる会社は珍しくなくなりました。
中小企業基盤整備機構が2026年3月に公表した調査(1ページ)の結果は以下のとおりです。

区分

割合

AIを導入済み

20.4%

導入を検討中

18.6%

導入済み企業のうち生成AIを利用

82.6%

利用が多い業務部門(総務・管理)

68.3%

出典:中小企業基盤整備機構|中小企業のAI等の利活用に係る実態調査 1ページ

導入済みと検討中を足すと、4割近い会社がAIの活用に前向きです。
AIを入れた会社の多くが使っているのは生成AIで、なかでも総務や管理の部門から使われ始めています。

なお、総務省の令和8年版情報通信白書(7ページ)では、業務で生成AIを利用している日本企業が2024年度の55.2%から86.4%まで伸びています。
※白書は大企業を含む企業全体を対象に、1つ以上の業務で使った経験を聞いた数字です。中小機構の調査は会社としてAIを導入したかを尋ねているため、総務省の調査とは導入の定義が違います。

出典:総務省|令和8年版 情報通信白書(概要)7ページ

数十名規模の会社でも、生成AIで業務を効率化する動きは広がってきました。

次は、どの業務を任せられるのかを具体的に見ていきましょう。

生成AIで効率化できる業務10選

生成AIを積極的に活用している中小企業でも、使い道はメールや議事録などの事務の定型業務が中心です。

商工中金の調査(6ページ)によると、活用事例はメール・報告書・議事録の作成や要約が74.0%、デスクワークの作業支援・自動化が48.7%です。

出典:商工中金|中小企業の生成AIの利用にかかる調査 6ページ

業務

生成AIに任せる中身

議事録作成

録音データを要点まで整理する

メール返信

トーンを指定して返信案を作る

日報作成

箇条書きのメモを清書する

営業資料

評価基準を渡して添削させる

情報収集

複数のサイトを表で比較する

アイデア出し

案を出して基準で絞り込む

マニュアル作成

業務フローを手順書にする

表計算

エラーの直し方を特定する

アンケート分析

自由記述を分類して集計する

会議の準備

議題から進行の流れを作る

どの業務も特別なシステムは要らず、ブラウザで日本語の指示を出すだけで試せます。

ただし、どの業務でも共通して守りたいのが、入力する情報の線引きです。
氏名や住所などの個人情報、取引先の社名や契約の単価といった機密情報は、生成AIに入力しないでください。
社名を伏せる・数字を消すなど、渡す前にひと手間かけるだけで使える場面は多くあります。

1つずつ解説していきます。

1. 議事録作成|録音データを要点まで整理する

議事録の作成は、録音データを渡すだけで生成AIに任せられます。

項目

内容

任せる作業

文字起こしの要約と決定事項の抜き出し

指示文の例

「会議の文字起こしを貼ります。決定事項・担当者・期限の3項目で議事録にまとめてください」

人が確認する点

決定事項の書き方が当日の合意と食い違っていないか

例えば議事録に30〜40分かけていた会議なら、確認と手直しの10分ほどで終わります。

録音の音質が悪いと発言者を取り違えるので、参加者の名前を先に伝えておくと精度を上げやすいです。
会議の回数が多い会社ほど、削減できる時間も積み上がるでしょう。

2. メール返信|トーンを指定して返信案を作る

受信したメールを生成AIに渡すと、返信の下書きが数十秒で出てきます。

項目

内容

任せる作業

用件の読み取りと返信案の作成

指示文の例

「このメールに、納期の延長をお願いする返信を丁寧な口調で2案作ってください」

人が確認する点

日付・金額・約束した条件が原文と合っているか

断りや催促など、書き出しに迷うメールほど時間の差が出ます。
口調を指定しないと、社外に出すには硬すぎる文面になりがちです。

1通5分の短縮でも、1日20通なら100分手が空きます。

3. 日報作成|箇条書きのメモを清書する

日報や週報の清書も、生成AIが引き受けられる業務です。

項目

内容

任せる作業

箇条書きのメモを定型の日報に整える

指示文の例

「以下のメモを、作業内容・所要時間・明日の予定の3項目で日報にしてください。メモにない内容は足さないでください」

人が確認する点

メモになかった情報が書き足されていないか

毎日15分かけていた清書が3分ほどで終われば、1ヶ月で4時間近い差になります。
文章を整える過程でAIがそれらしい説明を足す場合があるため、提出前にメモと見比べてください。

書くのが苦手な社員ほど、日報にかける時間を減らせます。

4. 営業資料|評価基準を渡して添削させる

生成AIが力を発揮するのは、資料を白紙から作る場面よりも、できあがった資料を点検する場面です。

項目

内容

任せる作業

資料の構成チェックと不足している内容の指摘

指示文の例

「この提案書を、価格・導入効果・導入までの流れの3点で採点し、足りない内容を指摘してください」

人が確認する点

指摘のうち自社の商習慣に合わないもの

白紙から作らせるより、できあがった資料を評価させるほうが効果は出やすいです。

評価の軸を渡さないと、当たり障りのない感想しか返ってきません。
基準にする項目は、課題分析の深さ・提案の具体性・予算の妥当性のように具体的な言葉で渡します。

過去に受注できた資料の共通項目を使えば、自社のやり方を保ったまま見直せるでしょう。

5. 情報収集|複数のサイトを表で比較する

他社サービスなどの情報収集は、生成AIに表の形で整理させると短時間で終わります。

項目

内容

任せる作業

複数のサイトから集めた内容を比較軸ごとに並べる

指示文の例

「以下の3社の料金ページの内容を貼ります。料金・契約期間・サポート範囲で比べた表にしてください」

人が確認する点

表の数値が各社の公式サイトの記載と一致しているか

比較軸を先に指定しないと、会社ごとに書いてある内容がそろわない表になります。

情報収集は調べる作業より、集めた内容を並べ直す作業に時間を取られやすいです。
候補を3〜5社に絞って渡せば、1回のやり取りで比べ終わります。

6. アイデア出し|案を出して基準で絞り込む

企画のアイデア出しを生成AIに任せると、会議に持ち込むたたき台がそろいます。

項目

内容

任せる作業

案の量産と、基準に沿った絞り込み

指示文の例

「30代向けの新商品の案を20個出し、費用の安さと早く始められることで上位5つに絞ってください」

人が確認する点

残った案が自社の人員と予算で回せるか

人だけで案を出す会議は、前半が案を並べる時間で終わりがちです。
20案のうち使えるのが2〜3案でも、白紙から考え始めるより会議は短く済むでしょう。

絞り込みの基準を先に決めておくと、選ぶ話し合いにも時間をかけずに進められます。

7. マニュアル作成|業務フローを手順書にする

後回しになりがちなマニュアルづくりも、生成AIを使えば着手のハードルが下がります。

項目

内容

任せる作業

手順のメモを初めての社員でも読める手順書に整える

指示文の例

「以下の作業の流れを、初めて担当する社員が読んで進められる手順書にしてください」

人が確認する点

画面や書類の名称が実際のものと合っているか

ベテランしか知らない手順ほど、文章にする時間が取れず後回しになりがちです。
話した内容をそのまま渡せば形になるので、最初の1本ができるまでの時間を短縮できます。

取引先の社名や契約の単価が手順に含まれるときは、伏せてから渡してください。
詰まった箇所だけ後から書き足していけば、新人に教える時間も減らせるでしょう。

8. 表計算|エラーの直し方を特定する

表計算ソフトでエラーが出たときも、生成AIに聞けば原因と直し方がわかります。

項目

内容

任せる作業

エラーの原因の説明と、直した数式の提示

指示文の例

「Excelで作った以下の数式がエラーになります。原因と、直した数式を教えてください」

人が確認する点

直した数式で結果が合うか

検索して似た事例を探す手間が省けるため、数分で解決する場合も多いです。
数式の意味も日本語で説明してくれるため、次に同じエラーが出たときは自分で直せます。

表計算で作業が止まる時間を減らせるのが、生成AIに聞く効果です。

9. アンケート分析|自由記述を分類して集計する

手作業では丸2日かかるような自由記述の集計こそ、生成AIの得意な領域です。

項目

内容

任せる作業

自由記述の分類と、分類ごとの件数の集計

指示文の例

「以下の自由記述を似た内容ごとに分類し、分類名と件数の表にしてください」

人が確認する点

どの分類にも入らなかった記述の扱い

回答が100件を超える調査ほど、手作業との時間の差が出ます。
分類名が抽象的すぎるときは、価格や接客など見たい観点を指定し直してみてください。

分類と件数の集計まで任せられると、人は結果の読み取りに時間を使えます。

10. 会議の準備|議題から進行の流れを作る

会議の議題を生成AIに渡すと、時間配分まで入った進行表が作れます。

項目

内容

任せる作業

議題ごとの時間配分と進行表の作成

指示文の例

「60分の会議で以下の3つの議題を扱います。時間配分つきの進行表を作ってください」

人が確認する点

決めたい事項が時間内に収まっているか

進行表があれば、話がそれても戻る先がわかりやすいです。
参加者へ事前に配っておけば、資料を読む時間を会議の中で取らずに済みます。

会議の準備を任せられると、当日の進行までまとめて短くできるでしょう。

生成AIで業務効率化する4つのメリット

生成AIを業務に組み込むと、作業時間だけでなく品質や引き継ぎの面にも効果が出てきます。

  1. 作業時間が減って人手不足を補える

  2. 手作業のミスが減って品質が安定する

  3. 属人化していた仕事を引き継ぎやすくなる

  4. 社員が企画などの仕事に時間を使える

効果の出方は任せる業務によって変わるため、自社の仕事に置き換えながら読んでみてください。
1つずつ解説していきます。

作業時間が減って人手不足を補える

生成AIに下書きや整理を任せると1件あたりの作業時間が短くなり、人手が足りない部署でも仕事が回りやすくなります。

前述の中小機構の調査(2ページ)では、AIを導入した企業の83.2%が「業務効率化・作業時間の短縮」を効果に挙げました。
「人手不足対応」の効果を挙げた企業も33.9%あります。

出典:中小企業基盤整備機構|中小企業のAI等の利活用に係る実態調査 2ページ

時間が減りやすいのは、次の3つのような作業です。

  • 会議の録音からの議事録づくり

  • 定型的なメールの返信文づくり

  • 社内向け資料のたたき台づくり

効果が出やすいのは、毎週のように発生する作業です。
月に1回しか出てこない作業では、指示文を考える時間のほうが長くなる場合もあります。

採用がすぐには進まない状況でも、いまの社員で回せる仕事の量を増やせるのが生成AIのメリットです。

手作業のミスが減って品質が安定する

担当者によってばらついていた書類の出来がそろうのも、生成AIを使うメリットです。
同じ指示文を使えば、誰が作っても同じ形式・同じ項目の下書きが出てくるためです。

中小機構の調査の2ページでは、AIの導入目的に「品質向上」を挙げた企業が32.3%ありました。
実際に効果があったと答えた企業も30.6%で、目的と近い水準です。

ミスが減りやすいのは、次の3つのような場面です。

  • 契約書の日付や金額の書き写しミス

  • 報告書の項目の抜け漏れ

  • 社外メールの敬語の誤り

ただし、生成AIは事実と違う内容をそれらしい文章で書いてしまう場合があります。
日付や金額が実際とずれていても文章としては自然に仕上がるので、読み流すと見落とします。

AIの出力後に人が数字を照らし合わせる工程を1つ入れておけば、担当者が誰でも同じ水準の書類にできるでしょう。

属人化していた仕事を引き継ぎやすくなる

特定の社員しかできなかった仕事を手順書にまとめる作業にも、生成AIは使えます。
作業の流れを口頭で説明した内容を渡すと、AIが抜けている工程を質問として返してくれます。

例えば、10年以上ベテランが担当してきた請求業務なら、作業の流れを話した音声をもとに手順書のたたき台を作れるでしょう。
手順書に残しておくと引き継ぎが楽になるのは、次の3つです。

  • 作業の順番と使うファイルの場所

  • 判断に迷ったときの基準

  • 過去に起きたミスとその対処

ベテラン本人が説明する時間は必要なので、まったく手間がかからないわけではありません。
それでも、担当者が一から書き起こすより短い時間で形になります。

異動や退職が決まってから慌てて資料を作る場面でも、生成AIを使えば引き継ぎの負担が軽くなります。

社員が企画などの仕事に時間を使える

事務作業に取られていた時間を、企画や顧客対応へ回せるようになります。

中小機構の調査(2ページ)によると、AIの導入で「付加価値創出」の効果があったと答えた企業は22.3%でした。
同じ項目をIT導入で挙げた企業は7.4%にとどまり、AIのほうが約15ポイント高い結果です。

浮いた時間の使い道として考えられるのは、次の3つです。

  • 顧客への提案内容を練る時間

  • 新しいサービスの企画づくり

  • 若手社員への指導や面談

作業を減らすだけでなく、社員が考える仕事に時間を使える状態まで進められて、はじめて生成AIを入れた効果と言えるでしょう。

生成AIによる業務効率化の限界

ここからは、生成AIを使っても効率化がうまくいかないケースを整理します。

生成AIには性質として苦手な作業があり、限界は以下の4つです。

  1. 事実と違う内容がもっともらしく混ざる

  2. 同じ指示でも毎回同じ答えとは限らない

  3. 現場の作業そのものは人の手が必要になる

  4. 社内にしかない情報は生成AIに渡さないと答えられない

苦手な部分を先に知っておくと、生成AIに任せる業務を選びやすくなります。
1つずつ見ていきましょう。

事実と違う内容がもっともらしく混ざる

生成AIは事実と違う内容を自信のある書き方で混ぜてくる場合があります。

誤った情報が事実のような文章で出力される現象は、ハルシネーションと呼ばれています。
ハルシネーションとは、AIが学習した情報をもとに、確認の取れていない内容をもっともらしい文章に仕立てて出す現象です。

実際には日付や社名・法令の名称のような細部で誤りが混ざるため、社外に出す文書は人が最後に目を通す前提で任せると安心です。

同じ指示でも毎回同じ答えとは限らない

毎回まったく同じ答えが返るとは限らないのも、生成AIの性質です。
生成AIは渡された言葉をもとに確率で文章を組み立てているためです。
例えば、同じ会議の録音データを渡しても、1回目は箇条書き・2回目は文章でまとめてくるように、書き方に差が出ます。

毎月同じ形式で提出する帳票のように、一言一句そろえたい作業は、生成AIだけで完結させにくいです。
出てきた文章を人が形式に整える使い方であれば、答えにばらつきがあっても、下書きにかかる時間は短くなります。

現場の作業そのものは人の手が必要になる

生成AIが対応できるのは、文章や数字を扱う作業に限られます。

例えば、製造ラインでの組み立て・建設現場での施工・患者への処置は、人が体を動かさなければ進みません。
生成AIに手順を指示しても、現場で作業する時間そのものは変わらないでしょう。

一方で、現場をもつ会社にも、日報・報告書・問い合わせへの返信のように、机の上で片づける事務作業は毎日あります。
事務作業なら業種を問わず生成AIで作業時間を短縮できるため、現場の前後にある仕事から生成AIを入れていけます。

社内にしかない情報は生成AIに渡さないと答えられない

取引先ごとの事情や社内の過去の経緯は、こちらから渡さないかぎり生成AIは答えられません。
生成AIが学習しているのは公開された情報が中心で、自社の内部資料や現場の判断基準は含まれていないためです。

資料そのものは、ファイルを読み込ませたり社内データと連携させたりすれば渡せます。
本当の壁になるのは、人が無意識に使っている判断の基準のように、どこにも書かれていない前提のほうです。

社内にしかない情報をどこまで言葉にできるかで、生成AIに任せられる業務の範囲が決まってきます。

業務効率化に使う生成AIツールの選び方

生成AIツールは、機能の多さではなく自社の業務にどう組み込めるかで選ぶと迷いにくいです。

代表的な生成AIツールは以下のとおりです。

ツール

向いている使い方

ChatGPT

幅広い業務の最初の一択になる

Claude

自然な文章と長い資料の読み込みに強い

Gemini

Googleのサービスと連携できる

生成AIの無料版

足りるかは利用量で判断する

紹介する料金は2026年8月時点のもので、いずれも1ユーザーあたりの月額になります。
金額は見直されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の料金を確かめてみてください。

1つずつ解説していきます。

ChatGPT|幅広い業務の最初の一択になる

ChatGPTは文章の作成から要約まで幅広い業務に使えるため、最初に試すツールとして選びやすいです。

特徴と料金を以下にまとめました。

項目

内容

得意なこと

文章作成・要約・アイデア出しなど幅広い作業

向いている業務

議事録の要約・メール文の下書き・企画のたたき台づくり

無料でできる範囲

テキストチャットは無制限(アップロード・画像生成・Deep Researchは上限あり)

有料プランの料金

個人:Go 1,400円・Plus 3,000円・Pro 16,800円〜
法人:ビジネス 3,050円(2名から)、エンタープライズは要問い合わせ

公式サイト

https://openai.com/ja-JP/chatgpt/pricing/

法人向けのビジネスプランは2名から契約でき、管理者が利用状況や設定をまとめて管理できます。
議事録の要約からメールの下書きまで1つのツールで足りるので、社員どうしで使い方を教え合いやすい点も特徴です。

どのツールから手をつけるか決めかねている会社は、使える業務の幅が広いChatGPTから検討してみましょう。

Claude|自然な文章と長い資料の読み込みに強い

文章の読みやすさを求める業務に向いているのが、Claudeです。

Claudeの特徴と料金を以下にまとめました。

項目

内容

得意なこと

自然な日本語の文章作成・長い資料の読み込み

向いている業務

報告書やお知らせ文の下書き・社内マニュアルの要点整理

無料でできる範囲

ウェブ・スマートフォン・デスクトップでのチャット、ウェブ検索、会話をまたぐメモリ

有料プランの料金

個人:Pro 月20ドル(約3,200円)
法人:Team 1シート月25ドル(約4,000円)、年払いは月20ドル(約3,200円)

公式サイト

https://claude.com/pricing

Claudeの料金はドル建てで表示されるため、上の円額は1ドル160円で換算した金額です。
為替によって請求額が動くので、複数名で契約するときは月々の支払いに幅をみておきましょう。

社外に出す文書のトーンをそろえたい会社は、Claudeを候補に入れて比べてみてください。

Gemini|Googleのサービスと連携できる

GeminiはGoogle Workspaceをすでに使っている会社であれば、いまの業務にそのまま組み込めます。

Geminiでできることと料金は以下のとおりです。

項目

内容

得意なこと

Google Workspaceの各サービスとの連携

向いている業務

Gmailの返信文づくり・ドキュメントの下書き・スプレッドシートの整理

無料でできる範囲

Geminiアプリの無料利用枠

有料プランの料金

Google Workspaceの料金にGeminiを含む
Business Starter 800円
Business Standard 1,600円
Business Plus 2,500円

公式サイト

https://workspace.google.com/intl/ja/pricing/

新規契約であれば最初の20ユーザーに限り、12ヶ月間は400円・800円・1,250円で利用できます。
AIツール用の契約を別に増やさずに済むので、社内で稟議を通すときの説明もしやすい構成です。

普段の業務がGoogleのサービスで完結している会社は、Geminiから試すと社内に広げやすくなります。

生成AIの無料版で足りるかは利用量で判断する

無料版のままでよいかは、月にどれだけ使うかで決まります。
有料プランを検討する目安を以下にまとめました。

  1. 無料の上限に達する日が月に何度もある

  2. 長い資料の読み込みが毎週発生している

  3. 複数の社員が同じ業務で毎日使っている

  4. 画像生成や調査の機能まで業務で使いたい

1つでも当てはまる場合は、まず1〜2名だけ有料にして業務が止まらなくなるかを確かめる方法もあります。

使う社員が増えてきたら、法人向けのプランも候補になります。
法人向けのプランなら、入力内容を学習に使わない設定が既定で、管理者が全員分をまとめて管理できるためです。

なお、入力してよい情報の線引きは、プランを変えても必要になります。
何をどこまで入力してよいかは、記事の後半の注意点で解説します。

生成AIで業務効率化した中小企業の事例3社

生成AIで業務時間を減らした中小企業3社の事例を紹介します。

企業名

効率化できた業務

あかちゃんとこどものクリニック

給与照合が丸2日から30分に

ローカルライフ

アンケート集計が1週間に短縮

Koto

属人的なノウハウの活かし方が見えた

いずれもクラウドワークス アカデミーのAI活用研修を受けた会社です。
1社ずつ紹介していきます。

あかちゃんとこどものクリニック|給与照合が丸2日から30分に

従業員40〜50名のあかちゃんとこどものクリニックでは、給与照合にかかる時間を生成AIで減らせる見込みが立ちました。

給与照合は、毎月の給与データと勤怠の記録を突き合わせる作業で、人数分の確認が必要になります。
ダブルチェックを含めると2日、繁忙期には3日近くかかっていました。

研修後は、情報をそろえてアップロードするだけで30分で処理できる見込みで、約16時間の削減にあたります。

研修は最初からClaude Codeを扱う内容でした。
受講した看護部門の管理者は「プログラミングの知識も数学の知識も要りません。国語力の方が大事なくらいです」と話しています。

業務を1つに絞って任せ方を覚えるだけでも、数十名規模の会社でまとまった作業時間を減らせます。

参考:クラウドワークス アカデミー|あかちゃんとこどものクリニックの導入事例

ローカルライフ|アンケート集計が1週間に短縮

アンケートの自由記述の集計を1週間程度で終えられそうだと見込むのは、株式会社ローカルライフです。
在宅ワークの斡旋・コワーキングスペースの運営・塾の運営・行政施設の管理運営と、地域に根ざした複数の事業を手がける会社です。

アンケートの集計にはこれまで2〜3週間かかっていました。
社員の約半数はChatGPTに触れた経験がありましたが、どう聞けばよいかわからず、誤情報の精査にも手間がかかって実務では使いきれていませんでした。

機密情報の扱いへの不安もブレーキになっていましたが、研修でセキュリティ設定を学び、どこまで入力してよいかの判断がつくようになりました。

AI活用研修では、アンケート集計に加えて見積書の作成や報告書のチェックも題材にしています。
代表取締役は「講師とのやり取りの中で投げ方を探っていける」と話しています。

使い方に迷う社員がいる会社でも、集計のような定型の作業から効率化を進めていけるでしょう。

参考:クラウドワークス アカデミー|株式会社ローカルライフの導入事例

Koto|属人的なノウハウの活かし方が見えた

合同会社Kotoは都市部の企業から業務を受託し、長野県駒ヶ根市の市民スタッフによるテレワークで回すアウトソーシング事業を営んでいます。

代表はすでにAIを日常的に使いこなしていました。
それでも学び方はネット検索による独学が中心で、人から教わったことは一度もありません。

営業資料の作成を題材に受講し、研修で新しく知ったツールとしてClaude Codeを挙げています。

人は仕事を進めるとき、自分の頭の中にある経験や社内の事情を、意識しないまま使っています。
どこにも書かれていないその前提を言葉にして渡さなければ、AIは同じ判断ができません。
言語化できる範囲がそのままAIに任せられる範囲になると気づけたのが、いちばんの収穫でした。

独学では届かなかった気づきを得たことで、AI活用による業務改善の支援へ事業を広げる方向にも確信をもてています。

すでにAIを使えている会社でも、任せる範囲を決め直すと業務効率化の余地はまだ見つかります。

参考:クラウドワークス アカデミー|合同会社Kotoの導入事例

生成AIで業務効率化を始める5ステップ

ここからは、生成AIで業務効率化を始めるまでの流れを5つのステップに分けて解説します。

  1. 時間がかかっている業務を書き出す

  2. AIに任せる作業と人が確認する作業を分ける

  3. まず自分の業務で生成AIを無料の範囲から試す

  4. うまくいった指示文を手順書に残す

  5. 生成AIを担当業務の別の作業にも広げる

ツールを決めるところからではなく、自社で時間がかかっている業務を洗い出すところから進めると遠回りになりません。
1つずつ解説していきます。

時間がかかっている業務を書き出す

生成AIによる業務効率化は、ツールの機能を調べる前に、時間がかかっている業務を書き出すところから始めます。
機能から入ると自社の仕事に当てはまる場面が見つからず、試すだけで終わってしまうためです。

商工中金の調査(9ページ)でも、生成AIを導入する以前の課題は、具体的な活用場面が不明との回答が35.6%で最多でした。

出典:商工中金|中小企業の生成AIの利用にかかる調査 9ページ

書き出すときの記入例は以下のとおりです。

業務

かかっている時間

会議の議事録づくり

1回60分・週2回

取引先へのメールの返信

1日30分

月末の請求書の確認

月4時間

求人票や案内文の作成

1件2時間

アンケートの自由記述の集計

1回2日

30分以上かかる業務を3つ以上洗い出せたら、その中でいちばん時間が長いものを1つ選びます。
担当者が数人いる業務は、1人ずつ所要時間を聞いて合計してみてください。

業務の側から効率化の対象を決めておくと、あとのステップで迷いが出にくいです。

AIに任せる作業と人が確認する作業を分ける

2つ目のステップで決めるのは、AIに任せる作業と人が確認する作業の線引きです。
線引きのないまま使い始めると、事実と違う内容が社外に出てしまう可能性があります。

1つの業務の中での分け方の例は以下のとおりです。

AIに任せる作業

人が確認する作業

議事録の要点の整理

決定事項と担当者の正誤

メールの返信の下書き

取引条件と送信先

求人票の文面づくり

給与・勤務時間の記載

資料の構成案づくり

数字の出どころ

自由記述の分類

分類からこぼれた回答

数字・金額・社外に出す文面の3つは人が確認すると決めておくと、判断に迷いません。

社内にAIに詳しい社員がいない場合は、研修会社に相談してみましょう。
聞く内容は、同じ業務でどこまでAIに任せている企業が多いかと、人が確認する項目の決め方の2つです。

任せる範囲を先に決めておくと、社員も安心して次のステップの試用に進めます。

まず自分の業務で生成AIを無料の範囲から試す

3つ目のステップでは、書き出した業務のうち自分が毎日やっているものを、無料で使える範囲の生成AIで試します。
先に自分で試しておけば、社内に広げたときに質問されても、指示の出し方も確認すべき点も自分の経験で答えられるためです。

試すときの進め方は以下のとおりです。

  1. 週1回以上やっている業務を選ぶ

  2. 過去の完成物を1つ手元に用意する

  3. AIの答えと見比べて差を確かめる

  4. 30分で終わる範囲に区切る

過去に自分が作った議事録やメール文を横に置くと、AIの答えとの差がその場でわかります。
思ったとおりの答えが出なくても、指示の出し方を1〜2回変えるだけで結果が変わる場面は多いでしょう。

自分の手で結果を確かめておくと、次のステップで手順書に落とし込みやすくなります。

うまくいった指示文を手順書に残す

うまくいった指示文をそのまま手順書に残すのが、4つ目のステップです。
頭の中に置いたままだと、次に同じ業務が来たときに一から指示を考え直す手間が毎回かかります。

残す作業は、次の順番で進めます。

  1. 狙いどおりの答えが出た指示文をコピーする

  2. どの業務で使う指示文かを先頭に書き足す

  3. AIに渡した材料を書き添える

  4. 人が最後に確認する点を1行足す

  5. 業務名をつけて、社内の共有フォルダに保存する

書き上がった手順書は、以下のような形です。

項目

記入例

使う場面

定例会議の議事録づくり

渡す材料

録音の文字起こしと当日の議題

指示文

「文字起こしを貼ります。決定事項・担当者・期限の3項目で議事録にまとめてください」

人が確認する点

担当者名と期限が当日の合意と合っているか

指示文は書き直さず、うまくいったときの文章をそのまま貼り付けておくのがコツです。
良かれと思って言い回しを整えると、AIが返す結果まで変わってしまいます。

初めて使う社員が同じ答えにたどり着けなくなるので、文章はそのまま残してください。
置き場所は、社内で普段使っているファイル置き場やチャットのピン留めでかまいません。

手順書に残した時点で、その業務は自分だけの工夫から、誰でもくりかえせる作業へ変わるでしょう。

生成AIを担当業務の別の作業にも広げる

5つ目のステップでは、同じ担当業務の中にある別の作業へ広げていきます。
1つの業務で通用した指示の型は、渡す材料と確認の観点が似ている作業ほどそのまま当てはまるためです。

議事録づくりの指示文を手順書に残した場合、次のような広げ方ができます。

広げる先の作業

元の指示文から変えるところ

打ち合わせの記録づくり

変えずにそのまま使える

朝礼メモの要約

「決定事項」を「共有事項」に変える

顧客訪問の報告書づくり

出したい項目を報告書の様式に合わせる

会議のあとの共有メール

文末を社内向けの言い回しに変える

このように、渡す材料が同じ作業なら指示文を少し修正するだけで使い回せます。

担当業務の中でAIに任せられる作業が増えてきたら、削減できた時間を数字で確かめる段階へ進みましょう。

業務効率化した効果を数字で測る方法

生成AIを使い始めた会社がつまずきやすいのが、効果を数字にする工程です。

商工中金の調査(9ページ)では、生成AI導入後の課題として「導入効果が測定できず、成果が見えにくい」を挙げた企業が21.3%ありました。

出典:商工中金|中小企業の生成AIの利用にかかる調査 9ページ

効果を数字で測る方法は以下のとおりです。

  1. 作業の前後で時間を計って削減分を出す

  2. 削減した時間を人件費に換算する

  3. 生成AIを使っている社員の割合を毎月確かめる

どれも専用の集計システムは要らず、表計算ソフト1枚で記録できます。
1つずつ解説していきます。

作業の前後で時間を計って削減分を出す

効果を数字にする最初の作業は、生成AIを使う前と後で同じ業務の時間を計ることです。

記録しておく項目は以下のとおりです。

測る項目

記録の例

対象の業務

毎週の定例会議の議事録作成

導入前の1回あたりの時間

90分

導入後の1回あたりの時間

20分

実施した回数

月4回

記録した人

総務2名

1回あたりの削減時間

90分 − 20分 = 70分

月あたりの削減時間

70分 × 4回 × 2名 = 約9時間

削減分は、1回あたりの差に月の回数と担当した人数をかけて出します。

総務省の令和8年版 情報通信白書(10ページ)には、不動産や介護などを営む中小企業の例が載っています。
各事業部門の課題を起点に1年間検討し、全10事業部の合計で年間2,247時間の削減につながったと報告されました。

参考:総務省|令和8年版 情報通信白書(概要)10ページ

1件ずつの記録は小さく見えても、部署ごとに足し上げれば年間の削減時間として説明できます。

削減した時間を人件費に換算する

社内で効果を説明するときに使えるのが、削減した時間を人件費に置き換えた金額です。
時間のままでは部署ごとの重みが伝わりにくく、金額にすると判断の材料になります。

前提として置くのは、時給換算の根拠・対象の人数・月あたりの回数の3つです。

前述の議事録作成を、月給40万円の社員2名が月4回担当している場合で計算してみましょう。
時給は、月給を月160時間で割って出します。

項目

計算

金額

1時間あたりの人件費

月給40万円 ÷ 月160時間

2,500円

1回あたりの削減時間

90分 − 20分

70分

月あたりの削減時間

70分 × 4回 × 2名

約9時間

月あたりの削減額

約9時間 × 2,500円

約22,500円

年あたりの削減額

約22,500円 × 12ヶ月

約27万円

社会保険料などの会社負担は含んでいないため、実際の削減額はもう少し増えます。
前提が変われば金額も変わるので、対象の人数と月の回数は必ず書き添えてください。

研修を受けたあかちゃんとこどものクリニックの看護部門の管理者も「一人あたりの人件費で考えるとわかりやすい」と話しています。

部署をまたいで効果を比べられるようにするのが、金額まで換算しておく狙いです。

生成AIを使っている社員の割合を毎月確かめる

効果の数字は、実際にAIを使っている社員が何人いるかとあわせて見ます。
AIを使う社員が減れば削減時間も元に戻るため、時間だけを追っても効果が続いているのかはつかめません。

毎月確かめる指標と、社内で置く目安の例は以下のとおりです。

見る指標

目安

月に1回以上使った社員の割合

対象部署の6割以上

週に1回以上使った社員の割合

対象部署の3割以上

手順書どおりに進んだ業務の数

対象業務の8割以上

使っていない社員の人数

前月より減っている

集計は、月1回の短いアンケートでも足ります。
割合が下がった月は、担当が変わっていないか、手順書が実際の作業と合っているかを見直してみてください。

使っている社員の数と削減した時間を並べて記録すると、効果が続いているのかを毎月の数字で確かめられます。

一部の社員しか使わない状態を変えるコツ

生成AIを使う社員を増やすには、個人任せの状態から抜け出す必要があります。

商工中金の調査(4ページ)では、会社として導入はせず使用を個人の判断に任せていると答えた企業が64.9%で最多でした。

出典:商工中金|中小企業の生成AIの利用にかかる調査 4ページ

総務省の情報通信白書(9ページ)でも、生成AIによる業務変革に「組織的な取り組みはない」と答えた日本企業は27.0%ありました。

米国1.4%・ドイツ4.9%・中国2.6%と比べると、会社として動けていない企業が目立ちます。

出典:総務省|令和8年版 情報通信白書(概要)9ページ

使う社員を増やすコツは以下のとおりです。

  • 生成AIの使い方を他部署と月1回持ち寄る

  • 生成AIの推進役を部署ごとに決める

  • 生成AIで成果を出した社員を評価に反映する

  • 研修で全社の生成AIスキルを底上げする

どれも新しい部署や予算をつくらずに始められます。
1つずつ見ていきましょう。

生成AIの使い方を他部署と月1回持ち寄る

他部署の社員が見つけた使い方は、月1回持ち寄る場をつくると社内に伝わっていきます。
生成AIの使い方は担当業務ごとに違い、隣の部署の工夫は自然には伝わらないためです。
経理で見つけた指示文が営業でも使えるのに、誰も知らないまま終わってしまう場面はよくあります。

持ち寄る項目と、共有するときの書き方の例を以下にまとめました。

持ち寄る項目

共有の例

任せた業務

見積書のたたき台づくり

実際に打った指示文

過去の見積書を渡して形式をそろえる指示

短縮できた時間

1件あたり40分から10分へ

うまくいかなかった点

金額の桁が変わっていた回答

集まった指示文を共有フォルダに置いておくと、その場に参加していない社員も後から使えます。

月1回の持ち寄りを続けるうちに、生成AIを使う社員は部署をまたいで少しずつ増えていくでしょう。

生成AIの推進役を部署ごとに決める

部署ごとに推進役を1人決めておくと、生成AIを使う社員が増えていきます。
困ったときにすぐ聞ける相手が同じ部署にいると、途中で手が止まりにくいためです。

推進役はAIに詳しい社員である必要はなく、興味をもって試している社員で十分でしょう。

任せる役割と、具体的にやることの例を以下にまとめました。

推進役の役割

具体的にやること

部署の質問を受ける窓口

週1回15分の相談枠を用意

新しい使い道の発掘

手作業の多い業務を月1件見つける

若手と苦手な社員の橋渡し

操作に不慣れな社員へ個別に声かけ

持ち寄りの場への参加

部署の使い方を全社へ報告

役割を決めずに「使ってみよう」と呼びかけるだけでは、日々の業務に押されて後回しになります。
部署に1人でも推進役がいると、聞けないまま生成AIを使わなくなる社員を減らせます。

生成AIで成果を出した社員を評価に反映する

生成AIの新しい使い方を見つけた社員は、社内で評価される仕組みがあると動きやすくなります。

業務の改善は担当業務に上乗せで取り組むもので、評価されないままでは続きにくいでしょう。

例えば、持ち寄りで共有された改善を人事評価の加点項目に加える方法があります。
表彰や朝礼での紹介など、金銭をともなわない形でもかまいません。

削減できた時間を数字で残して評価に結びつけると、自分も試してみようと考える社員が出てきます。

研修で全社の生成AIスキルを底上げする

生成AIを使える社員をまとめて増やす手段として役に立つのが、外部の研修です。

社内に生成AIを教えられる人がいないと、独学で覚えた一部の社員に知識がとどまります。
総務省の情報通信白書(9ページ)によると、生成AIの活用に必要なスキルを学ぶ環境があると答えた日本企業は39.9%で、米国の62.7%を下回ります。

出典:総務省|令和8年版 情報通信白書(概要)9ページ

中小機構の調査(2ページ)でも、AIの導入推進に必要な公的支援として「従業員向けの教育・研修」を挙げた企業は67.7%でした。

出典:中小企業基盤整備機構|中小企業のAI等の利活用に係る実態調査 2ページ

パソコンの操作が苦手な社員も同じ内容を一度に学べるので、若手だけが先に進む状態になりにくいです。

全社で使い方をそろえられると、一部の社員に偏っていた生成AIの活用を会社全体へ広げていけるでしょう。

生成AIで業務効率化するときの注意点

生成AIを業務に取り入れた企業がつまずきやすいのは、社内のルールづくりです。

商工中金の調査では、生成AI導入後の課題として「社内ルールや方針整備が追い付かない」が25.1%で最多でした。

「情報管理やセキュリティの不安が大きい」も21.0%と続いています。

出典:商工中金|中小企業の生成AIの利用にかかる調査 9ページ

先に決めておきたい注意点は以下の3つです。

  • 生成AIに入力してよい機密情報の範囲を決める

  • 入力内容がAIの学習に使われない設定にする

  • 生成AIの文章は社外に出す前に著作権を確認する

どれも最初に決めてしまえば、あとは同じ運用を続けるだけで済みます。
順番に確認していきましょう。

生成AIに入力してよい機密情報の範囲を決める

生成AIに入力してよい情報の範囲は、使い始める前に決めておきましょう。
範囲が決まっていないと、社員は自分の判断で入力してよいのか迷い、生成AIを使うのをためらいます。
先ほどのあかちゃんとこどものクリニックも、患者情報を扱うため入力の線引きには慎重にならざるをえないと話していました。

業種を問わず使い分けやすい線引きを以下にまとめました。

入力してよい情報

入力しない情報

公開済みの自社サービスの説明文

氏名・住所などの個人情報

社外に見せても差し支えない業務手順

取引先の社名や契約の単価

数字を伏せた会議のメモ

未公開の新商品や出店の計画

社名を消した過去の見積書

社外秘のマニュアルや図面

迷ったときは、社外の人に見せられる情報かを基準にすると線を引きやすいです。

ゼロからルールを作れないときは、研修会社の担当者に、同じ規模の会社がどこで線を引いているかを聞いてみてください。
入力の範囲が決まっていれば社員は迷わず生成AIを使えるので、時間がかかっている業務から効率化を進められます。

入力内容がAIの学習に使われない設定にする

使い始める前に確かめておきたいのが、入力した内容がAIの学習に使われない設定です。
学習に使われない設定になっているかで、社内の資料を扱ってよい業務の範囲が変わってくるためです。

ChatGPT・Claude・Geminiはいずれも無料版のまま設定でオフにできるので、学習に使わせないだけなら有料にする必要はありません。
法人向けのプランなら、はじめから学習に使わない扱いです。

どこを見れば確認できるのかを以下にまとめました。

確認する場所

確認する内容

各ツールの設定画面

入力データを学習に使う設定のオン・オフ

法人向けプランの利用規約

入力内容を学習に使わない旨の記載

提供元のセキュリティ説明ページ

データの保存期間と保存先

ただし、設定を変えたからといって危険がなくなるわけではありません。

利用規約や仕様は提供元の判断で見直されますし、外部からの攻撃で情報が流出する可能性もゼロにはできません。
社員に配るルールは「設定を確認したうえで、個人情報と機密情報はそもそも入力しない」の2段構えにしておくと安全側に倒せます。

設定の確認と入力しない情報の線引きがそろっていれば、議事録や日報のように社内の情報を含む業務も任せやすくなるでしょう。

生成AIの文章は社外に出す前に著作権を確認する

生成AIが作った文章や画像は、社外に出す前に一度確認する工程を入れておくと安心です。

生成AIは学習したデータをもとに文章や画像を作るため、既存の作品と表現が似る場合があります。
社外に出す前に確かめたい項目は以下のとおりです。

  • 既存の作品と似た表現の有無

  • 引用した数値や事実の出典

  • 他社の社名やロゴの混入

生成AIが書いた文章であれば、無料のコピペチェックツールを通すと似た表現の有無をまとめて確認できます。

参考:CopyContentDetector

画像の場合は、画像検索にかけて似たものが出てこないかを見るだけでも手がかりになるでしょう。

確認にかかるのはツールに通す数分だけなので、社内向け・社外向けを問わず一度は目を通しておきましょう。

生成AIの業務効率化に関するよくある質問

最後に、生成AIの業務効率化についてよくある質問に答えていきます。

パソコンが苦手な社員でも生成AIを使える?

パソコンの操作が苦手な社員でも、生成AIは使えます。
生成AIは文字を入力して話しかけるだけで動くため、特別な知識は必要ありません。

研修を受けたあかちゃんとこどものクリニックの受講者は「会話ができるなら、その会話の相手がパソコンになるだけです」と話しています。
むしろ言葉を扱うのが得意な社員のほうが、生成AIとは相性がよいとも語っていました。

やりたいことを言葉で説明できる社員なら、生成AIで自分の業務を効率化していけるでしょう。

参考:クラウドワークス アカデミー|あかちゃんとこどものクリニックの導入事例

生成AIの効果が出るまでどのくらいかかる?

効果が見えるまでの期間は、早ければ1週間ほど、全社に広げるなら1年近くかかります。

取り組む範囲ごとの目安は以下のとおりです。

取り組み

効果が見えるまでの目安

1つの業務で試す

1週間〜1ヶ月

部署内の複数の業務に広げる

1〜3ヶ月

全社の業務に広げる

半年〜1年

1つの業務なら、指示文を試して手直しする往復を数回こなせば手ごたえがつかめます。
部署や全社に広げる段階では、対象業務の洗い出しと社員への周知に時間がかかるため、月単位で見ておくと計画が崩れません。

範囲を広げるほど期間は長くなるので、業務効率化はまず1つの業務から始めてみてください。

AI研修の費用に助成金は使える?

AI研修の費用には、人材開発支援助成金を使えます。

人材開発支援助成金とは、職務に関連する訓練を計画に沿って実施した企業に、訓練の経費と賃金の一部を国が助成する制度です。
中小企業なら経費の最大75%が戻りますが、75%は訓練時間10時間以上などコースの要件をすべて満たした場合の助成率です。

参考:厚生労働省|人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内 13ページ38ページ

助成金を使えば自己負担を抑えられるので、生成AIで業務効率化を進める社員を育てやすくなります。

対象になるコースや申請の手順は、AI研修に助成金は使える?対象コースと申請5ステップをわかりやすく解説で詳しく解説しています。

まとめ|自社の業務を1つ決めて生成AIを試そう

さっそく生成AIによる業務効率化を進めていきましょう。
最初の1つを決めてから広げるまでの手順は以下のとおりです。

  1. 時間がかかっている業務を書き出す

  2. AIに任せる作業と人が確認する作業を分ける

  3. まず自分の業務で生成AIを無料の範囲から試す

  4. うまくいった指示文を手順書に残す

  5. 生成AIを担当業務の別の作業にも広げる

全社で一斉に導入する必要はなく、いま時間がかかっている業務を1つ選ぶところから始められます。
くりかえしですが、AIの機能から探すのではなく、手が止まっている仕事のほうから決めていくのが遠回りしないコツです。

「どの業務から手をつければいいのか、社内だけでは決めきれない…」と感じている会社は、無料の相談から始めてみてください。

クラウドワークス アカデミーの「AI活用研修」は、講師が貴社のオフィスに訪問し、事前のヒアリングで自社の業務に合わせた題材を用意します。
パソコンの操作が苦手な社員の隣に座って教えるので、若手だけが先に進む状態になりにくいのが特徴です。

導入を決めていない段階でも相談できるので、まずは気軽に問い合わせてみてください。

この記事が、貴社の業務効率化の参考になればうれしいです。

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