AIエージェント研修とは?生成AIとの違い・費用相場・選び方を解説

「AIエージェント研修では何を学ぶの?」
「生成AIの研修と何が違うのか、社内でうまく説明できない…」
こういった疑問に答える記事です。

この記事でわかることは以下のとおりです。

  • AIエージェント研修と生成AI研修の違いと学べる内容

  • 形式別の費用相場と助成金を使ったあとの実質負担

  • 自社に合う研修会社を選ぶ5つの基準

AIエージェント研修を選ぶときは、演習で実際に動くAIエージェントを作れるかを基準にします。
演習で実際に動かすところまで扱う研修ほど、受講後もそのまま使えるAIエージェントが社内に残ります。

とはいえ、社内にAIに詳しい人がいないと、何を基準に比べればよいか迷いますよね?
この記事を読むことで、生成AI研修との違いから助成金を使ったあとの実質負担まで、社内で検討を進める材料がそろいます。

自社のどの業務をAIエージェントに任せるかを思い浮かべながら、最後まで読んでみてください。

※この記事は、中小企業向けのAI活用研修を提供している「クラウドワークス アカデミー」が監修しています。

AIエージェント研修とは

AIエージェント研修で学ぶのは、目的を渡すと自分で動くAIを社員が自社の業務で使えるようにする方法です。

AIエージェントとは、目的を伝えると必要な手順を自分で組み立て、実行まで進めるAIのことです。
例えば「毎週月曜の朝に業界の最新トレンドをまとめて送って」と伝えておけば、情報を集めて整理し、決まった書式にまとめるまでを自動で処理します。

講義で仕組みを聞くだけでなく、自社のどの業務を任せるかを決める演習まで含む研修が中心です。
日本語で目的を伝える進め方なので、プログラミングの経験がない社員でも受講しやすいでしょう。

生成AI・RPAとの違いは自ら考えて動くこと

AIエージェントと生成AI・RPAとの違いがはっきり出るのは、指示を受け取ったあとの動き方です。
※RPAとは、あらかじめ決めた手順どおりにパソコンの操作を自動化するソフトのことです。

3つを同じ観点で並べました。

観点

生成AI

RPA

AIエージェント

動き出し方

指示を受けるたびに答える

決めた手順どおりに動く

目的を伝えると手順を自分で組み立てる

続けられる範囲

1回の回答で終わる

登録した作業だけを同じ順番で動かす

複数の作業を続けて実行する

手順が変わったとき

人が指示を出し直す

設定を作り直す

状況に合わせて自分で組み替える

得意な業務

文章や資料のたたき台づくり

入力・転記の定型処理

調査から資料作成までの一連の流れ

AIエージェントは目的を受け取ると、複数のツールをまたぎながら企画書のアイデア出しから構成の決定・ファイルの作成までを続けて処理します。
毎日同じ手順で進む入力作業はRPAが得意で、文章のたたき台づくりなら生成AIでもまかなえるでしょう。

AIエージェント研修でも、自ら考えて動くAIに何をどこまで任せるかが中心の題材になります。

研修の成果物は業務で動くAIエージェント

この研修の成果物は、受講後もそのまま業務で使えるAIエージェントです。
自分の担当業務を題材に指示の出し方や動かす条件を組み立てるので、研修が終わった時点で完成品が手元に残るケースが多いです。

Claude Code・CodexといったAIエージェント系のツールで作れる成果物の例を以下にまとめました。

作る成果物の例

何をしてくれるか

情報収集エージェント

決めた曜日に自分で動き出し、複数のサイトを巡回して要点だけを1枚にまとめて届ける

月次レポートエージェント

フォルダの売上データを読み取り、集計から前月比の作図・報告書ファイルの出力まで通しで実行

議事録エージェント

文字起こしを置くだけで要約し、次の作業を担当者ごとに割り振って管理表まで更新

請求チェックエージェント

請求書と発注データを突き合わせ、金額が合わない件だけを抜き出して一覧に追記

アンケート分析エージェント

自由記述を内容ごとに分類し、傾向をまとめた報告資料の下書きまで作成

作ったAIエージェントは研修が終わったあとも動かせるため、学んだ内容が資料の中だけで止まりません。
業務で動くエージェントが社内に残るのが、AIエージェント研修で得られるものです。

AIエージェント研修で学べる4つのこと

AIエージェント研修では、任せる業務の選び方から社内で使うときのルールまでを扱います。

AIエージェント研修で学べることは以下の4つです。

  1. 定型作業を自動化する方法

  2. AIに制約を伝える方法

  3. 自社に合うAIエージェントの選び方

  4. AIエージェント使用時のルール

扱う範囲は研修会社ごとに違いますが、4つとも受講した社員が自分でAIを動かすために必要なことです。
1つずつ解説していきます。

定型作業を自動化する方法

AIエージェント研修では、手順が毎月同じ順番で進む定型作業を自動化する方法を学べます。
やることの順番を言葉で説明できる業務ほど、AIへの指示に落とし込みやすくなります。

定型作業を自動化する仕組みを作る手順は以下のとおりです。

手順

やること

人が決めること

1. 業務を1つ選ぶ

毎月同じ順番で進む作業を洗い出す

最初に任せる業務

2. 手順を書き出す

いま人がやっている操作を順番に並べる

どこまでをAIに任せるか

3. 置き場所を決める

読み込むフォルダと成果物の保存先を指定する

扱ってよいデータの範囲

4. 指示文を渡す

AIの入力欄に目的と制約を書いて仕組みを作らせる

守ってほしい条件

5. 先月分で試す

出てきた成果物を人の作業結果と突き合わせる

作り直す部分

6. 運用に乗せる

毎月の業務として動かす

人が最終確認する工程

6つの工程のうち、社員が手間取りやすいのは2の手順の書き出しです。
普段は無意識に進めている操作を言葉にする作業で、ここさえ埋まれば残りの工程は指示文に落とし込めます。

研修では実際の業務を題材に6工程を1周し、社員が自分で同じ流れを回せる状態を目指します。

AIに制約を伝える方法

AIにやってほしいことに加えて、守ってほしい制約まで伝える方法も学べます。

AIエージェントは指示の足りない部分を自分で補って進むため、条件を書かないと想定と違う成果物が返ってきます。
指示にそろえておきたい項目は以下のとおりです。

  • 目的(何に使う成果物か)

  • 動かすきっかけ(いつ動き出すか)

  • 入力と出力の場所(読み込む先と保存先)

  • 制約(守ってほしい条件と入れない情報)

  • 出力形式(分量・項目・ファイルの形式)

ここで書くのは、ChatGPTなどに1回だけ質問するプロンプトではありません。
Claude CodeやCodexといったAIエージェントに渡して、毎月動く仕組みそのものを作らせるための指示文です。

例えば、月次の売上資料づくりを任せるAIエージェントなら、次のように指示します。

毎月1日に動く、売上報告資料の作成を任せる仕組みを作ってください。
ルールは以下のとおりです。
売上データは「売上」フォルダにある前月分のCSVを読み込む
商品カテゴリ別に集計し、前月比の増減が大きい順に並べた資料にする
取引先名と個人名は資料に載せない
A4で1枚に収まる分量で、見出し3つと箇条書きの構成にする
できあがった資料は「報告書」フォルダにWordファイルで保存

きっかけと保存先まで書き添えておくと、翌月からは人が指示を出さなくても資料がそろいます。

研修では自社の業務でそのまま動く指示文を作りながら、書き方を身につけられます。

自社に合うAIエージェントの選び方

AIエージェント研修では、Claude CodeやCodexなどを実際に動かしながら、自社に合うAIエージェントの選び方を身につけます。

絞り込むときに見るのは、できることの範囲と、社員が扱える操作のしかたの2点です。
いずれもパソコンの中のファイルやデータを読み書きしながら、指示した作業を進められるAIエージェントです。

候補になる主なツールを、1つ目の観点であるできることの範囲で並べました。

ツール

できること(2026年8月時点)

向いている会社

Claude Code

パソコン内のファイルの集計・データの書き換え・資料の下書きまで実行

資料作成やデータ整理から自動化したい会社

Codex

文章やデータの処理をブラウザ・パソコン・iPhoneのアプリから依頼

外出の多い社員にも使わせたい会社

Copilot Studio

社内の問い合わせに答えるAIを画面上の操作で作成

Microsoft 365を日常的に使っている会社

Dify

画面上で部品をつないだAIの処理の流れの組み立て

複数の業務に同じ仕組みを広げたい会社

どのツールも黒い画面でのコマンド操作だけでなく、デスクトップアプリからも使えます。
画面上のやり取りで進められるので、パソコンの操作に不慣れな社員でも扱いやすいです。

参考:Anthropic|Claude Code overviewOpenAI|Codex Pricing

研修の中で2つの観点を突き合わせれば、自社の業務に合うツールを迷わず決められます。

AIエージェント使用時のルール

研修で合わせて学ぶのが、AIエージェントを安全に使うためのルールです。
AIエージェントは渡された情報をそのまま処理に使うため、入力の段階で線引きが必要になります。

決めておきたいルールは以下のとおりです。

  • 入力してよい情報とだめな情報の区分

  • 顧客名や個人情報を伏せてから渡す手順

  • AIが作った内容を確認する担当と範囲

  • 業務で使うツールとアカウントの管理方法

ルールがあれば、社員が判断に迷ったときも手を止めずに進められます。

一度決めて終わりにせず、使うツールが増えたときに見直すのが続けるコツです。
安全に使える範囲まで社内で決められると、現場は迷わずAIエージェントを使い始められます。

AIエージェント研修の導入事例

AIエージェント研修を導入した企業で、どの業務がどう変わったのかを紹介します。
取り上げるのは、東京都で小児科を運営するあかちゃんとこどものクリニックの事例です。

同クリニックは、クラウドワークス アカデミーのAI活用研修を導入しています。
研修ではClaude Codeを扱い、実際の業務に合わせて使い方を組み立てました。

研修の内容と成果は以下のとおりです。

項目

内容

導入した研修

クラウドワークス アカデミーのAI活用研修(Claude Codeを使用)

研修前の課題

給与照合がダブルチェック込みで2〜3日かかっていた

研修の形式

自社のシフト管理業務に合わせて内容を組んだ対面研修

研修後の成果

給与照合を30分で処理できる見込み、約16時間の削減

研修ではAIの注意点や向き合い方も扱い、リスクを踏まえたうえで導入できそうだと受け止められています。
浮いた時間で補助的な業務の負担が減ると、同クリニックは見込んでいます。

参考:クラウドワークス アカデミー|導入事例 あかちゃんとこどものクリニック

AIエージェント研修は全社員と推進役に分ける

AIエージェント研修は、社員全員に同じ内容を受けさせるのではなく、2つの層に分けて範囲を決めると進めやすいです。

  • 全社員は日常業務の自動化から始める

  • 推進役の1〜2名は社内でAIエージェントを作れるところまで学ぶ

受ける範囲を層ごとに分けておくと、ITに詳しい社員がいない会社でも人選を決められます。
1つずつ解説していきます。

全社員は日常業務の自動化から始める

全社員が受ける研修は、毎日の業務をAIに任せる範囲までを依頼すると進めやすいです。
社内にAIに詳しい人がいない段階で開発まで全員に求めると、受講の途中で手が止まる社員が出るためです。

全社員向けに依頼したい範囲を以下にまとめました。

学ぶ内容

研修後にできることの例

毎日の事務作業をAIに任せる練習

メール・報告書の下書きの用意

定例の資料づくりを頼む実践

週次の報告資料のたたき台づくり

手元の数字を整理させるワーク

表計算データの集計と一覧の整形

自分の担当業務で1つ動かす演習

受講後すぐ担当業務で使い始める状態

範囲を毎日の業務にそろえておくと、AIに触れたことがない社員も同じ日程で受講できます。
全社員はここまでと決めてから、研修会社に人数と受けさせたい業務を伝えてみてください。

推進役の1〜2名は社内でAIエージェントを作れるところまで学ぶ

研修の範囲を一段広げておきたいのが、社内の推進役に選ぶ1〜2名です。
研修が終わったあとに設定を直したり別の業務へ当てはめたりできる人が社内にいると、外部に頼らずにAIエージェントを使い続けられるためです。

推進役に学ばせたい範囲を以下にまとめました。

学ぶ内容

研修後にできることの例

自社の業務に合わせたAIエージェントづくり

部署の作業に合わせた自動化の設計

動かないときの原因の切り分け

社員から質問がきたときの一次対応

作ったAIエージェントの手直し

業務が変わったときの設定変更

AIエージェントづくりといってもプログラミングは要らず、日本語で指示文を組み立てるのが中心です。
推進役には、AIに関心のある社員や部署の業務に詳しい社員を選ぶと動き出しやすいです。

AIエージェント研修の費用相場

AIエージェント研修の価格は、受ける形式によって公開されている金額が違います。

  • 公開講座は1名13,500円〜385,000円

  • eラーニングは1名13,000円台から選べる

  • 訪問型は10時間で1名176,000円程度

いずれも研修会社が公式サイトに掲載している税込価格です。
1つずつ解説していきます。

公開講座は1名13,500円〜385,000円

公開講座は、1名あたり13,500円〜385,000円で受けられるコースが公開されています。
1講座ごとの受講料で、半日・1日・3日といった日数の違いで価格が決まります。

2社が公開しているコース例と税込価格を以下にまとめました。

コース例

価格

インソース AIエージェント基礎研修(半日)

13,500〜33,600円

インソース AIエージェント基礎研修〜自分専用の生成AIで業務を自動化する(1日)

31,500円

インソース 業務効率化のためのChatGPT活用研修(半日)

36,600〜37,700円

トレノケート ChatGPTで学ぶ生成AIビジネス活用(1日)

33,000円

トレノケート さわってわかるAIエージェント入門(1日)

77,000円

トレノケート AIエージェント開発者養成講座実践コース(3日)

385,000円

参考:インソース|AI・生成AI研修トレノケート|AI関連の研修コース

開発まで踏み込む3日間のコースは385,000円で、社内で作れる人を育てる場合の目安です。
まず担当者1名だけ受けさせる場合も、1名分の受講料で見積もりを立てられます。

eラーニングは1名13,000円台から選べる

1名あたり13,200円〜26,400円で受けられるのが、eラーニングの講座です。
トレノケートが公開しているeラーニングは3.5時間〜10時間の講座で、配信期間の中で自分のペースで進められます。

公開されている税込価格と、10名分に換算した金額を以下にまとめました。

コース例

価格

トレノケートのeラーニング各種(3.5〜10時間)

1名13,200〜26,400円

10名が受ける場合の単純計算

132,000〜264,000円

参考:トレノケート|AI関連の研修コース

1名あたりの単価が決まっているので、人数が増えても総額を計算しやすいです。

まず全社員に基本の内容だけ受けさせたい場合は、1名1万円台から予算を組めます。

訪問型は10時間で1名176,000円程度

訪問型は、講師が自社のオフィスまで足を運び、対面とオンラインを組み合わせた日程で進める形式です。

例として、クラウドワークス アカデミーのAI活用研修は訪問型で、全10時間で1名あたり176,000円です。
参考:クラウドワークス アカデミー|AI活用研修

この176,000円は1名あたりの金額なので、受講する人数の分だけかかります。
受講させたい人数と希望の研修時間を考えておくと、研修の総額を把握しやすいでしょう。

AIエージェント研修に使える助成金

AIエージェント研修の費用は、国の助成金を使うと自社の負担を抑えられます。

  • 人材開発支援助成金で経費の最大75%が戻る

  • 研修の実質負担は1名46,000円まで下がる

助成の対象になる訓練には要件があるため、金額と合わせて確認しておきましょう。
1つずつ解説していきます。

人材開発支援助成金で経費の最大75%が戻る

AIエージェント研修の費用は、厚生労働省の人材開発支援助成金で一部が戻ります。
人材開発支援助成金とは、職務に関連する訓練を計画に沿って実施した企業に、訓練の経費と賃金の一部を国が助成する制度です。

AIの活用を社内に広げる研修なら、事業展開等リスキリング支援コースが対象になります。
事業展開やDX化に向けたリスキリングを対象にしたコースで、経費助成の率は企業規模によって決まります。
経費助成とは、受講料や教材費など訓練にかかった費用の一部が戻る助成です。

コース名と助成率を以下にまとめました。

コース

企業規模

経費助成率

事業展開等リスキリング支援コース

中小企業

75%

事業展開等リスキリング支援コース

大企業

60%

対象になるのは、業務から離れて受ける訓練で、実訓練時間数が10時間以上あるものに限られます。
1名1訓練あたりの限度額も決まっており、10時間以上100時間未満の訓練なら中小企業で30万円が上限です。

ただし、次の内容は助成の対象になりません。

  • 既存のアプリやシステムを購入して操作方法を習得する訓練

  • 文章や数値の入力・書式の変更程度の初歩的な操作だけの訓練

  • コンサルタントによる指導

ツールの操作説明だけで終わる内容は対象外と判断される可能性があるため、業務で動くAIエージェントを作る工程まで含まれているかを確認してみてください。

なお事業展開等リスキリング支援コースは、令和4年度から令和8年度までの期間限定の助成金として創設された制度です。
AIエージェント研修に助成金を使う予定があるなら、制度が続いている年度のうちに社内で計画を進めておきましょう。

参考:厚生労働省|人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)12ページ37ページ

研修の実質負担は1名46,000円まで下がる

先ほどの訪問型研修を例に、負担額のイメージをつかんでみましょう。
クラウドワークス アカデミーのAI活用研修は、176,000円(税込・10時間)に助成金を当てはめた内訳を公開しています。

項目

計算

金額

研修価格

10時間・税込の公開価格

176,000円

経費助成

対象経費に助成率75%を適用

120,000円

賃金助成

1,000円×10時間

10,000円

1名あたりの実質負担

176,000円から助成分を差し引き

46,000円

定価との差額

176,000円から実質負担を差し引き

130,000円

表の120,000円は税込価格の75%ではなく、助成の対象になる経費に助成率をかけた額です。

賃金助成とは、訓練を受けている間の賃金に対して時間あたりで支払われる助成です。
勤務時間内に受けた場合を前提に、1時間あたり1,000円へ研修時間10時間をかけて10,000円になります。

助成金を見込んで予算を組めば、AIエージェント研修は1名4万円台の負担で実施できる可能性があります。

参考:クラウドワークス アカデミー|AI活用研修

AIエージェント研修の会社を選ぶ5つの基準

AIエージェント研修は、演習の中身も支援の範囲も研修会社によって差があります。

研修会社を選ぶときの基準は以下のとおりです。

  1. 自社の業務に合わせて内容を変えられるか見る

  2. 演習で実際に動くAIエージェントを作れるか確認する

  3. 講師が現場の業務に詳しいかを確かめる

  4. 助成金の申請をサポートする研修会社を選ぶ

  5. パソコンが苦手な社員でも受けられるか調べる

5つすべてを満たす会社を探すより、自社が譲れない基準を2〜3個に絞ると比べやすくなります。
1つずつ解説していきます。

自社の業務に合わせて内容を変えられるか見る

AIエージェント研修は、自社の業務に合わせて内容を組み替えられるかをまず確かめてください。
研修で扱う題材が現場の仕事とかけ離れていると、受講後に動かすAIエージェントができないまま終わってしまうためです。

例えば経理と営業では時間がかかっている作業が違うので、同じ内容をそのまま受けても現場で使う場面が生まれにくいです。

研修会社への問い合わせのときにそのまま聞ける質問と合わせて、確認したい内容を以下にまとめました。

確認すること

研修会社への質問例

演習で使う題材

自社の業務を題材にした演習にできますか?

部署ごとの内容

経理と営業で内容を変えられますか?

事前のヒアリング

研修前に業務の内容を聞き取ってもらえますか?

組み替えられる範囲

カリキュラムのどこまで変更できますか?

問い合わせの段階で具体的に答えられる研修会社なら、自社向けに内容を組み替えてもらえる見込みが立ちます。

演習で実際に動くAIエージェントを作れるか確認する

もう1つ確かめておきたいのが、演習の中で実際に動くAIエージェントを作れるかです。
操作の説明を聞くだけで終わると、研修のあとに現場で動かすものが手元に残りません。

同じ考え方は助成金の要件にも表れています。
厚生労働省の資料には、単に既存のアプリやシステムを購入してその操作方法を習得する場合は助成の対象にならないと記載されています。

参考:厚生労働省|人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)12ページ

問い合わせのときに確かめたい内容は以下のとおりです。

確認すること

研修会社への質問例

演習の成果物

研修が終わった時点で何が手元に残りますか?

題材の決め方

自動化する業務は事前に決めておけますか?

動作確認までの範囲

作ったAIエージェントを実際に動かしますか?

説明と実習の配分

実習の時間はどれくらい取れますか?

研修が終わったときに何が残るのかを、申し込みの前に聞いておくと比べやすいでしょう。

講師が現場の業務に詳しいかを確かめる

講師の実務経験も、研修会社を比べるときの基準になります。
現場の仕事の進み方を知っている講師なら、演習の題材を自社の業務に寄せてもらえます。

講師について確かめたい内容は以下のとおりです。

確認すること

研修会社への質問例

講師の実務経験

講師はどんな業務でAIを使ってきましたか?

同じ業種での実績

同じ業種の会社に研修した実績はありますか?

質問への対応

研修中の質問はその場で答えてもらえますか?

社内にAIに詳しい人がいないと講師の力量は判断しにくいですが、心配は要りません。
研修会社の担当者に同じ業種での実績を聞けば、自社の業務にどこまで寄せてもらえるかがわかります。

3つの質問をそのまま投げて、返ってきた答えを見比べてみてください。

助成金の申請をサポートする研修会社を選ぶ

見落としやすいのが、助成金の申請をどこまで支援してもらえるかです。
計画届の提出期限は訓練開始日の1ヶ月前までなので、書類の準備を社内だけで抱えると日程が窮屈になるかもしれません。

研修会社に聞いておきたい内容を以下にまとめました。

確認すること

研修会社への質問例

対象になる講座か

この研修は助成金の対象になりますか?

書類の準備範囲

申請書類はどこまで用意してもらえますか?

社労士との連携

社労士に相談できる窓口はありますか?

事前の診断

自社が対象になるか事前に見てもらえますか?

社労士と連携して書類の準備から支援する研修会社もあります。
どこまで任せられるかは研修会社ごとに違うので、問い合わせの段階で支援の範囲を聞いておくと安心です。

参考:厚生労働省|人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)39ページ

パソコンが苦手な社員でも受けられるか調べる

パソコン操作に不安のある社員がいる会社は、受講のしやすさも選定基準に入れておきましょう。
操作でつまずいたときにその場で聞ける講師がいるかで、研修後の成果が変わるためです。

受講の前に確かめたい内容は以下のとおりです。

確認すること

研修会社への質問例

操作中のサポート

つまずいた社員に個別で対応してもらえますか?

受講の形式

講師が会社に訪問する形式は選べますか?

事前準備の要否

受講までに社員が準備するものはありますか?

日程の組み方

半日ずつに分けて実施してもらえますか?

講師が隣について教える研修であれば、操作に不安がある社員も途中で止まらずに進められます。

日程を繁忙期と重ならないように組めるかも合わせて聞いておくと、当日の欠席を減らせます。

AIエージェント研修を導入する5ステップ

AIエージェント研修は、現場の作業を集めるところから研修の実施までの5つのステップで進みます。

具体的な研修導入のステップは以下のとおりです。

  1. 現場から時間のかかる作業を集める

  2. 研修後に動かす業務の到達状態を決める

  3. 助成金の対象になるかを確認する

  4. 自社の業務を伝えて研修内容を詰める

  5. 計画届を出して研修を実施する

ステップ1〜4までにかかる期間は、合わせて1〜2ヶ月が目安です。
助成金を使う場合は計画届を訓練開始日の1ヶ月前までに出すため、その期間を加えると、動き始める目安は研修の2〜3ヶ月前になります。

1つずつ解説していきます。

1. 現場から時間のかかる作業を集める

最初に進めるのは、時間がかかっている作業を現場の社員から聞き取る工程です。
経営層だけで候補を挙げると、実際に手が止まっている作業と食い違う可能性があります。

現場に依頼する内容を以下にまとめました。

  • 各部署に3件ずつ挙げてもらう

  • 1件ごとに月の作業時間を書き添えてもらう

  • 提出先と締め切りをそろえる

例えば「毎週決まった曜日にやっている作業」と聞き方をそろえると、社員が答えやすくなります。
集約にかかる期間は1〜2週間ほどが目安です。

現場の言葉で書かれた作業の一覧がそろうと、研修で扱う題材の候補が見えてきます。

2. 研修後に動かす業務の到達状態を決める

研修が終わった時点でどの作業が自動で動いていればよいのかを決めるのが、2つ目のステップです。
到達状態を数値まで決めておくと、研修後に効果を振り返るときの基準になるためです。

決めておく内容を以下にまとめました。

  • 自動で動かす作業と担当する部署

  • 作業1件あたりの目標時間

  • 到達を確認する時期

例えば「月次の売上レポートの作成を、内容の確認だけで済む状態にする」といった書き方だと、研修会社にも伝わります。

どこまでAIに任せられるかは、社内に経験がないうちは線を引きにくい部分です。
決めきれないときの相談先として、研修会社の担当者を頼る手があります。
自社が挙げた作業を演習の題材にできるか、同じ規模の会社がどこまで自動化しているかを聞いてみましょう。

決めた到達状態は、投資に見合うかを判断する経営層とも合わせておくと、社内の承認が進みやすいです。

3. 助成金の対象になるかを確認する

人材開発支援助成金を使えるかは、研修の中身が要件を満たすかで決まります。
研修の形式や時間数が要件から外れると、費用を計算し直すことになります。

見積もりを取る前に確認しておく項目を以下にまとめました。

  • 業務を離れて受けるOFF-JTか

  • 実訓練時間数が10時間以上あるか

  • 操作の説明だけで終わらない内容か

3項目とも満たせそうであれば、見積もりの依頼時に助成金の利用希望を研修会社へ伝えておきます。
書類の準備と対象可否の確認をあわせると、日程には1〜2週間ほどの余裕がほしいところです。

予算の枠が固まれば具体的な相談に進めるので、判断がつかない項目は労働局や研修会社の担当者に聞いてみましょう。

参考:厚生労働省|人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)12ページ

4. 自社の業務を伝えて研修内容を詰める

4つ目のステップは、集めた作業の一覧と希望の到達状態を研修会社へ渡すことです。

研修会社へ渡しておきたい情報を以下にまとめました。

  • ステップ1で集めた作業と作業時間

  • 社員が日常で使っているツールと書式

  • 社外に出せない情報の線引き

例えば月次レポートの様式や議事録のテンプレートを先に渡しておくと、当日は渡した書式のまま演習に入れます。
カリキュラム案と見積もりが届くまでには2〜4週間ほどかかるケースが多く、日程の確定はそのあとになります。

使うAIツールは、自社の作業を伝えたあとに研修会社と一緒に決めると、現場の仕事に沿った内容に近づくでしょう。

5. 計画届を出して研修を実施する

助成金を使う場合は、訓練開始日の6ヶ月前〜1ヶ月前までの間に計画届を労働局へ提出します。
計画届とは、これから実施する訓練の内容と対象者を事前に届け出る書類です。

例外もあり、新たに雇い入れた労働者だけを対象として雇入れ日から訓練開始日までが1ヶ月以内の訓練は、訓練開始日の前日まで提出できます。
また、天災などやむを得ない理由がある場合も、同じく前日までの提出が認められています。

提出のあとに続く手順を以下にまとめました。

  • 計画届のとおりの日程と内容での実施

  • 受講日と受講時間の記録の保管

  • 訓練終了日の翌日から2ヶ月以内の支給申請

支給申請の2ヶ月は厳守とされているため、研修の最終日が決まった時点で申請日も決めておくと安心です。

研修の実施から支給申請までを1本の流れとしてとらえ、5つのステップを順に進めていきましょう。

参考:厚生労働省|人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)39ページ42ページ

AIエージェントを社内に定着させるコツ

研修で作ったAIエージェントを現場で使い続けてもらうには、研修後の進め方に工夫が必要です。

  • 最初は1部署の1業務だけで成果を出す

  • 作ったAIエージェントを社内で共有して使い回す

  • 月1回の振り返りで使われない原因を見つける

  • 業務フローにAIエージェントを組み込んで使う前提にする

  • 経営層が社員のAI利用を業務時間に認める

こちらも1つずつ解説していきます。

最初は1部署の1業務だけで成果を出す

AIエージェントは、最初の1ヶ月を1つの部署の1業務に絞ると定着しやすいです。
複数の部署で一度に使い始めると、うまく動かなかったときに業務の選び方とAIエージェントの設定のどちらを直せばよいのか判断しにくくなります。

最初の1業務で決めておく内容は以下のとおりです。

  • 最初に任せる業務は1つに限定

  • 使う社員はAI推進役と現場の担当者

  • 1ヶ月後に測る作業時間の記録

例えば、毎週の売上レポートの下書きだけをAIエージェントに任せ、1ヶ月後に作成時間がどれだけ減ったかを記録しておきましょう。
AIを検索のように使っていた社員も、自分の指示でAIエージェントが動く体験をすると、次に任せられる作業を自分から探し始めます。

小さな成果を数字で残して経営層と現場が同じ内容を確認できると、現場だけで抱え込まずに次の部署へ広げやすくなります。

作ったAIエージェントを社内で共有して使い回す

共有フォルダに置いておくと、1人の社員が作ったAIエージェントを他の部署でもそのまま使えます。
同じ設定を一から作り直す手間がなくなり、研修を受けていない社員も使い始められます。

共有するときにそろえておく内容を以下にまとめました。

  • AIエージェントの設定と手順書を保存

  • 使い方を短くまとめたメモ

  • 他部署の質問を受ける推進役の窓口

例えば、経理で使っている請求データの整理用のAIエージェントは、設定を一部変えるだけで営業の受注データの整理にも使える可能性があります。
使えるAIエージェントが増えるほど、社内で声をかけ合いながら使う場面も増えていくでしょう。

月1回の振り返りで使われない原因を見つける

月1回の振り返りは、使われなくなったAIエージェントを見つける場になります。
使われない状態には、業務に合っていない場合と設定の作り込みが足りない場合があり、聞き取らないと判断できません。

振り返りで確認する内容は以下のとおりです。

  • 使った社員と使わなかった社員の確認

  • 手が止まった作業と理由の聞き取り

  • 設定を直す担当と期限の決定

例えば、資料の下書き用のAIエージェントが使われなくなった理由を聞くと、出力の体裁を毎回直す手間が挙がる場合もあるでしょう。
設定に体裁の条件を足すだけで、翌月からまた使われる状態に戻せる可能性があります。

使われない理由を月ごとに1つずつ解消していくと、設定の直し方が社内の知見として積み上がります。

業務フローにAIエージェントを組み込む

業務の手順書にAIエージェントを組み込むと、使う場面を社員が毎回迷わずに済みます。

使う判断を社員に任せたままだと、忙しい時期に研修前のやり方へ戻りやすくなります。
手順書に書き加える内容を以下にまとめました。

  • 手順書へのAIを使う工程の追記

  • 手順書に載せる呼び出し方の例

  • 生成物を確認する担当と順番

例えば、月次レポートの手順書に「AIエージェントで下書きを作る」工程を、数値の確認より前に書き加えます。
担当者が変わっても手順書のとおりに使われる状態にして、AIエージェントを業務の流れに残していきましょう。

経営層が社員のAI利用を業務時間に認める

社員がAIエージェントに触れる時間を経営層が業務として認めると、社内に広がりやすくなります。

経営層の側で決めておく内容は以下のとおりです。

  • 業務時間内にAIを試してよい範囲

  • 検証にあてる時間の勤務時間への計上

  • ツールの利用料と担当者の予算化

どこまで試してよいかを先に決めて伝えておけば、社員は毎回上司に確認しなくても手を動かせます。
使ってよい時間と範囲がはっきりしている会社ほど、AIエージェントは現場で使われ続けます。

AIエージェント研修に関するよくある質問

最後に、AIエージェント研修についてよくある質問に答えていきます。

研修の期間はどのくらいかかる?

研修の期間は、半日で終わる形式から3日以上かけて学ぶ形式まで幅があります。
講義中心の入門的な内容と、動くAIエージェントを作る演習まで含む内容とでは、必要な時間に違いがあります。

各社が公開している研修時間を以下にまとめました。

研修の形式

期間の目安

公開講座(半日コース)

半日

公開講座(1日コース)

1日

開発者向けの養成講座

3日

eラーニング

3.5〜10時間

訪問型

複数回に分けて計10時間

助成金を使う場合は、前述のとおり実訓練時間数が10時間以上あるかも合わせて確かめておきましょう。

社員が業務を離れられる時間から逆算すると、無理のない形式を選べます。

参考:インソース|AI研修トレノケート|AI研修クラウドワークス アカデミー|AI活用研修厚生労働省|人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)12ページ

1名だけでも受講できる?

公開講座やeラーニングなら、1名だけでも受講できます。
1名単位で申し込める形式なので、費用は受講する人数の分だけです。

一方、講師が会社へ訪問する形式は、部署単位や全社でまとめて受講させたい会社に向いています。

まず1名で試すなら公開講座やeラーニングから始め、訪問型に切り替える段階で最少人数を研修会社に確かめてみてください。

導入後の保守まで自社で対応する必要がある?

導入後の運用は、すべてを自社で抱え込まなくて大丈夫です。
日々の実行と設定の手直しは自社で進め、つまずいた部分は研修会社に相談できるためです。

運用時の分担の例を以下にまとめました。

自社で対応すること

研修会社に相談できること

毎日の実行と結果の確認

動かなくなったときの原因の切り分け

設定の書き換えと業務変更の反映

追加のフォロー研修や個別の質問

利用するアカウントの管理

新しい機能や仕様変更への対応

研修後のフォローの範囲は研修会社によって違います。
申し込みの前に、質問できる期間と方法を確かめておくと、導入後も自社だけで抱え込まずに運用を続けられます。

有料のAIツールの契約は必要になる?

AIエージェントを業務で動かすなら、有料プランの契約が必要になります。
無料プランではAIエージェントを動かせないケースが多いです。

AIエージェントの利用に必要なプランと月額は以下のとおりです。

プラン

月額(2026年8月時点)

Claude Code:Proプラン(1人で使う場合)

17ドル・約2,720円(年払)
20ドル・約3,200円(月払)

Claude Code:Teamプラン(複数人で使う場合)

1席あたり20ドル・約3,200円(年払)
25ドル・約4,000円(月払)

Codex:Plusプラン(1人で使う場合)

20ドル・約3,200円

Codex:Businessプラン(複数人で使う場合)

1ユーザーあたり20ドル・約3,200円(2ユーザー以上・年払)
25ドル・約4,000円(月払)

※1ドル=160円で計算しています。

使うツールが研修で決まってから契約すれば、必要な分だけの支出で運用を始められます。

参考:Anthropic|Claude 料金OpenAI|Codex Pricing

まとめ|自社に合うAIエージェント研修を選ぼう

さっそくAIエージェント研修の検討を進めていきましょう。

AIエージェント研修を導入する5ステップは以下のとおりです。

  1. 現場から時間のかかる作業を集める

  2. 研修後に動かす業務の到達状態を決める

  3. 助成金の対象になるかを確認する

  4. 自社の業務を伝えて研修内容を詰める

  5. 計画届を出して研修を実施する

「AIエージェントなんて、うちの社員には難しいのでは…?」と感じる会社もあるでしょう。
くりかえしですが、AIが苦手な社員がいる会社ほど、講師がそばで教える形式が向いています。

クラウドワークス アカデミーのAI活用研修は、事前のヒアリングで内容を自社の業務に合わせられる中小企業向けの研修です。
助成金の申請は提携する社労士法人がサポートするので、はじめての導入でも手続きに迷いません。

無料で相談できるので、まずは時間のかかっている業務を話すところから始めてみてください。
この記事が、貴社のAIエージェント研修の参考になれば幸いです。

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